辛口法務FPのピリッと一言

人生の3大要素のひとつであるお金のお話です。

私の自由研究「高次脳機能障害の裁判例」

高次脳機能障害(どういうものか概要は昨日のブログを参照ください)は、
専門も医師でさえ意見が大きく分かれる場合があります。
裁判官も判決には苦労したと思います。
ある2つの裁判の例ですが、興味深いものがあり紹介します。
1.自賠責事前認定 12級 高次脳機能障害非該当
  自賠責意義申立  7級 高次脳機能障害 該当
  東京地裁判決   7級 高次脳機能障害 該当
  個人的には、   5級 高次脳機能障害 該当だと思います。
  理由は、判定4項目の内労災基準で7級(半分程度喪失)
  に該当する項目が2つあると考えたから併合5級です。
  まあ、7級でもいいとは思いますが・・
2.自賠責事前認定 12級 高次脳機能障害非該当(併合9級)
  自賠責意義申立  7級 高次脳機能障害 該当(併合6級)
  東京地裁判決   12級 高次脳機能障害非該当(併合9級)
  東京高裁判決   9級 高次脳機能障害非該当(併合8級)

  個人的には、12級 高次脳機能障害非該当だと思います。
  理由は、意識障害がなく、画像所見も十分な説明になって
  いないため脳の器質的障害とは言えないからです。
  ただ、2審高裁の9級は、裁判官が考え抜いた結論だと
  想像され好感が持てました。
  それよりも、よくわからないのは左肩骨折による可動域制限で
  10級10号としていることです。
  確かに、主要運動の外転・内転では、かずかな違いなので修正10度
  し、OKなのですが、参考運動の外旋・内旋では、やはり1/2以下
  にならので12級6号が正しいと思うのですが、まあ、調査事務所が
  間違えるはずもないし、たぶん別資料があったか私の見落としで
  しょう。
今回の場合、等級が1級違うと100万円単位で被害者の受け取る金額が
 異なります。
 知っておくと得なこともありますよ・・・